地方二次救急病院の救急医ブログ ER×ICU +α 

やっくんの「だから救急はおもしろいんよ」

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月の満ち欠けが健康に及ぼす影響

13日の金曜日

あまり日本では馴染みがない、不吉とされる13日の金曜日

キリストが磔にされた日が13日の金曜日だったから不吉だとか、最後の晩餐が13人だったから不吉だとか、いろいろ言われはあるものの、はっきりとはしていません

ただなんとなく

13日の金曜日は不吉だ

と言われ続けている、そんな慣習です

いくらなんでもかわいそすぎでしょう・・・

13日の金曜日に謝ってください!

 

ただ、大真面目にこの不吉な日に何かが起こるのではないかということを研究した人たちも世の中にはおります

 

たとえばこちら

 

13日の金曜日は交通事故が増えるという文献です

13日の金曜日は交通事故による入院リスクが52%上昇するから家にいろとおっしゃいます

日本人で同じことを調べたらどうなるのか興味がありますね

関係ないんじゃないかと僕は思いますが・・・

 

対照的に、13日の金曜日だからといって特段気を使う必要はないという文献もあります

 

13日の金曜日における救急外来の受診者数を、1週間前後、1カ月前後の金曜日と比較したところ、差がなかったということです

ただし、13日の金曜日は他の金曜日と比べて穿通性外傷のリスクが高くなるということです(オッズ比1.65、95%信頼区間1.04-2.61)

 

さらに、医療従事者にとって興味深い手術に関する研究

 

術中の失血と緊急手術件数、穿孔リスクが、星座や月の周期や13日の金曜日に左右されるかどうかを調べています

結論から言うと、「リスクは変わりません」ということです

 

こういうのを真面目に調べてくれる人がいるから

13日の金曜日?そんなの迷信だよ!

と言えます

本当にありがとうございます

 

月の満ち欠け

さっきの文献では、月の満ち欠けとの関係も一緒に調べています

これも興味深いですね

 

月の満ち欠けは動物の行動を左右するとか、ホルモンのバランスを変動させる可能性が示唆されています

 

示唆されているけど、そんな月の満ち欠けでどうにかなってしまうなんてことがあるものなんでしょうか…

自分の生活にはあまり関係していないのではないかと思ってしまいます

 

というわけで、月の満ち欠けが、救急と関連深い動物咬傷と関係があるのではないかと調査した文献を紹介します


2年間で1621例の動物咬傷(このうち56例が猫、11例がネズミ、13例が馬、1541例が犬)が受診し、これを後方視的に月齢ごとに分けて検討しました

結果は以下の表の通り

 

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月齢と動物咬傷の件数

 

満月の時は飛び抜けて件数が多いことが分かります

満月に向かって発生数が増えていくのが面白いですね

 

月を意味するラテン語のLunaですが、形容詞でLunaticとなると「狂人じみた」などという意味になります

 

昔から月には人を狂わす力があると信じられていたようです

皆さんは満月の時にエナジーが湧いてきますか?

僕は湧きません

 

同じくBMJに犯罪件数と月の満ち欠けの関係を検討した文献もあります


満月の時は犯罪発生が増えるようです

 

日本は団子を食べながら月を愛でる平和な国民性ですから、あまり変な気を起こす人はいないと信じております

 

出産との関係は?

満月といえば、満月の時には出産が激増するという話がチラホラ聞かれます

産婦人科医も、こぞってそういうことを言うのですが・・・

そう言う証拠はありません!!

 

満月だろうが新月だろうが子供は生まれてきます

差はありません

 

24時間365日体制で出産の安全性を担保している産婦人科の先生方には頭が上がりません

月齢にかかわらず忙しいと思いますから、ご自愛いただきたく存じます