ゴーストペッパー
辛いものが好きな人っていますよね
僕も好きなのですが、まぁちょっと辛いくらいがちょうどいいです
痛いレベルになると、何を食べているのかわからなくなります
でも、痛いほど辛いものを美味しそうに食べる人も世の中にはいらっしゃいます
どうみても辛そう("からそう"じゃなくて"つらそう")に辛いものを食べる人もいらっしゃいます
(テレビでゴルゴ松本がチャレンジしていますよね・・・)
今回はそんな辛いものが好きな人に注意喚起をします
ゴーストペッパーという激辛ソースを摂取後に食道破裂を起こしたという症例報告を紹介します
コンテストでゴーストペッパーを食した直後から嘔気と胸痛を訴え、病院で特発性食道破裂(Boerhaave syndrome)と診断されたようです
辛いものを食べたあとの胸痛発作ではBoerhaave syndromeも考えましょうねということですが、これは特発性とは別に病名付けた方がいいと思います…
ゴーストペッパーという名前からしてヤバそうな雰囲気を醸し出しておりますが、その名の通り、ヤバい調味料です
ゴーストペッパーは、ブート・ジョロキアというめちゃくちゃ辛い唐辛子を使用したソースです
ブート・ジョロキアは北インドやバングラデシュ産のトウガラシ属の品種で、2007年に、かの有名なハバネロを抜いて、辛いトウガラシとしてギネス世界一に認定されたという最強の唐辛子です
現在はキャロライナ・リーパーという別のトウガラシがギネス認定されているそうですが、キャロライナ・リーパーも食べた人に脳血管攣縮を起こさせたということで、一例のみの報告とはいえ、危ない空気をビンビン放っております
またギネス認定はないにせよ、キャロライナ・リーパーの2倍辛い品種も開発されております
何を目指しているのかはわかりません・・・
辛さの指標 スコヴィル
ゴーストペッパーはどのくらい辛いのか?
この症例報告によれば100万スコヴィル超えということです
とか言っても、まずスコヴィルってなんだーという話ですよね
スコヴィルは唐辛子属にカプサイシンがどのくらい含まれているかの指標で、1912年にスコヴィル味覚テストを考案したウィルバー・スコヴィルの名前に由来しています
今では高速液体クロマトグラフィーで測定した濃度を経験的なスコヴィル値に変換して数値を出しているようですが、開発当初の測定方法はアナログで、トウガラシのエキスの溶解物を5人の被験者に食べさせるというものでした
エキスを砂糖水で薄めていき、辛味を感じなくなった時点の希釈倍率をスコヴィル値としていたのです
ピーマンは0スコヴィルで、ペペロンチーノは100~500スコヴィル、ハラペーニョやタバスコは2500~5000スコヴィルとされます
100万スコヴィルということは、100万倍に薄めなくては辛味を抑えられないということから、凶悪すぎます
ちなみに、純粋なカプサイシンは1500万スコヴィルだそうです
なんだか値が大きすぎて、当初の想定をはるかに超える感じになってしまったのではないでしょうか
どれだけ辛いのか想像がつきません
ドラゴンボールみたいに戦闘力のインフレ化みたいなことが起こっています
100万スコヴィルを体感した
僕がスコヴィルという指標を知ったのは大学生の頃でした
当時、水泳部の仲間がどこで見つけたのか「ザ・ソース」というものを取り寄せてきたことが、僕とスコヴィルの出会いになりました
ザ・ソースは、710万スコヴィルで、当時世界最強に辛いソースとされていたものです
これがどのくらいやばいかというと、このソースを一滴どころか爪楊枝の先につけて唐揚げに塗って食べたら舌がしびれて涙が止まらなくなるくらいに辛いのです
当時のマネージャー(♀)に食べさせたら、泣かれてしまいました
改めて懺悔します
本当にごめんなさい
しかし本当の悲劇はこの後起こりました
このザ・ソースは小瓶に入って売られており、蓋を開け閉めしなくてはなりません
そのときに少量手についてしまったのでしょう
トイレに行って排尿をした後、アソコに激痛が走りました
(アソコってどこですかなどと聞かないでください)
とにもかくにも、ズボンのチャックに挟まり続けているような激烈な痛みが続きます
挟んだ事はありませんが
ふと見ると、同じく瓶を触っていた後輩も隣の便器で悶絶しています
肉眼で見ても、手には何も付いていません
ごくわずか、蓋についていたと考えられる目視できないほどの液体のカスが、このような状況を引き起こしたのです
戦闘力(スコヴィル値)700万とはそういう世界です
好きな人もほどほどに楽しんでください
ちなみに、Boerhaave syndromeは診断が難しいことで有名ですが、仮に初期診断がうまくいって24時間以内に適切な治療が施されたとしても、死亡率は10~20%とされています
文字通りデスソースになってしまいます…