医師だけ?謎の習慣
医師には独特の風習があります
医師が紹介状を作成するときに、宛名は大体次の2種類のどちらかになります
◯◯先生侍史or◯◯先生机下
侍史とか机下とかなんやねん!?ってなりますが、これは脇付(わきづけ)と呼ばれるものです
直接相手に送っているわけではないということを表し、謙譲の意を表す文書の技術とされています
じゃあそもそも侍史や机下って何?ってことになりますが
侍史は侍従や秘書を指し
机下はそのまま机の下を指します
そうです
僕たちはいつも◯◯先生の机の下へと送っているのです!!
(ちゃんと届くか不安だなぁ…)
医者はエラそーだとか、ふんぞりかえっているとかよく言われますが、まったくそんな事はなく、お手紙を書く時は直接相手に書かずに、ちょっと婉曲にお手紙を届ける奥ゆかしい存在です
いつもへりくだっているのですから・・・
さらに丁寧に
へりくだるだけではなく、さらに丁寧にしたいのか、慣例的に「御侍史」とか「御机下」とか書くこともありますが、これは秘書や机を崇拝している事になります
とてつもなくへりくだっているということの現れですね
というか、すごくおかしな表現です
まあ、もとからおかしい表現なので、もはやどうでもいいのかもしれません…
ともかく、机にまでへりくだる謙虚さを兼ね備えている医師なので、世の中は安泰です
この風習ですが、実は院外へのお手紙はもちろん、院内のお手紙でも守られています
例えば救急部の後輩から何か僕にお願いがあるとき、院内メールの宛先は
「薬師寺先生御侍史」
になっています
僕に侍史がいない事なんか分かっているくせに、そのようなお手紙がきます
もちろん他科の医師からのメールでもそうなっています
さらに、僕も後輩に侍史なんかいないと思いながら
「◯◯先生侍史」
なんて書いたりします
もはやギャグの世界
もしこのブログを読んでいただいている方で、僕にお手紙を送りたいなと思ったり、コメントを残したいなと思ってくれた方は、ぜひ僕に直接お願いいたします
侍史はおりませんので…