地方二次救急病院の救急医ブログ ER×ICU +α 

やっくんの「だから救急はおもしろいんよ」

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救急医もオリーブオイルドボドボ

富山に行った理由

僕はプロフィールにある通り富山大学を出ております

足を踏み入れた事もない北陸の地へ行くのはそれなりに不安もありましたが、受験したのには訳がありました

どうしても漢方が勉強したかったのではありません

せっかく一人暮らしをするなら食べ物がおいしい所へいきたいなと思い、いろんな人に

食べ物のおいしい所を教えてほしい

と聞いてまわったのです

 

そこで、中学校の部活の先生に

富山は魚も酒も最高だ。特に冬の寒ブリは食べないと!

と言われたのを真面目に信じて受験したのでございます

 

確かに水も空気も美味しく、正に米どころ。日本酒が美味しくない訳がない…

 

それからは勉強に全く関係のない食べ物のことばかりを考える毎日

僕は物理選択なのに、受験の数週間前に初めて赤本なるものを開き、受験科目に生物が含まれる事を知って絶望しかけたほど、食べ物に釣られておりました

あまり飲んだ事もない日本酒への想像力には富んでいたくせに、目先の試験への想像力が欠如していました

 

試験の集団面接では

なんでうちの大学受けたの?

という質問に、4人中僕以外の3人が

漢方を勉強したくて受験しました

みたいなことを言っていて

 

へぇ、漢方が有名なんだぁ

 

なんてことを他人事のように思った記憶があります

 

実際漢方の勉強にはある程度力を入れていて、6年間を通じて六君子湯くらいは読めるようになりました(参照:読める?読めない?難しい医療用語

 

ちなみに、この時の質問に対して僕は

水と空気と酒と魚がおいしいと聞いてきました!

と正直に申し上げたところ、面接官が爆笑して一気に場の雰囲気が和みました

 

1人の面接官は

それでは合格したら6年間存分に楽しんで下さい

と仰って下さいました

 

もしこれから受験生の面接や新入社員の面接にあたる方がいらっしゃいましたら、このような寛大な心で接していただけましたら幸いです

 

これで不合格でしたらただのアホでしたが、なんとか大学には合格しました

そんなわけで魚を食べに富山まで行ったので、学生の間に何件か行きつけの店ができました

卒業した今でも年に何回かは富山に赴き、富山のお寿司を食べるように努力(?)しています

 

オリーブオイル

さて、前置きが長くなりましたがここからが本題です

以前、富山の行きつけのお寿司屋さんに行った時のこと

大満足で一通りの食事を終えた際、大将からこんな提案がありました

 

最後にかんぴょうをオリーブオイルで食べてみない? 

 

驚きです

酢飯とオリーブオイルが意外と合うのだそうです

もこ◯ち精神がこんなところまで浸透しているとは・・・

 

も◯みちよろしくドボドボとかんぴょう巻きに掛けられていくオリーブオイル…とはならず、醤油皿にオリーブオイルがさされました

 

醤油皿に浮かぶ黄金の液体…

だまされたと思って食べてみましたが、これが大正解!!!

寿司屋は進化し続けるのだなぁと思った次第です

 

実は、救急医も診療にオリーブオイルを使います

ERでもオリーブオイルが活躍することがあるという話を振ると大将も興味津々でした

 

もちろん何かを食べるわけではないですよ(汗)

医療用のオリーブオイルがきちんと販売されているのです

 

その名も「オリブ油」

 

【第3類医薬品】日本薬局方 オリブ油 100mL

 

精製されて、より純度の高い医薬品として販売されております

製薬会社曰くオリーブオイル≠オリブ油です!

 

オリブ油を食べた事ないので、感想を述べることはできないのですが、確かに青臭いオリーブオイル特有の香りはあまりしません

 

オリブ油の活躍の場所

まぁ違いはともあれ、実際に使うのはどんな時でしょうか?

 

例えば夜間にこんなことを言う人がきます

寝ていたら耳に昆虫が入ってメチャクチャ痛い!!

 

耳に昆虫が入ったという事ですが、よく「昆虫」だと分かるなぁと思います

蜘蛛かもしれないしムカデかもしれないのに…

 

でもそんな患者さん達の言う事はだいたい当たっています

 

寝ている間に耳に生き物が入ったという症例を何例か経験しましたが、僕は「奴」以外診た事がありません

みんながたぶん最も嫌いな昆虫、通称「G」です…

 

Gは3億年前から森に棲息し、動物の死骸や腐った樹木を食べて分解する自然界の「分解者」としてホモサピエンスなんかよりも早くこの世で活躍してきました

今では人間の生活環境にまで進出して、ただただ忌み嫌われる存在となってしまっていますが

 

なんで奴は耳に入り込むのでしょうか?

おそらく出入りする生物はアレコレいると思うのですが、Gは足がイガイガしており、しかもすばやく動くので、狭い外耳道に潜り込んではまってしまうのでしょう

 

ともあれ、いったん入ってしまうと、もがいて暴れるので耳にひっかかってメチャクチャ痛いようです

可哀想だからという事で、いきなり鑷子でとりだそうとしてはいけません

余計に暴れて外耳道を傷つけます

 

そこでオリブ油の登場なのです!!!  

 

静かに外耳道の中にオリブ油を注いで、Gが窒息するのを待って、沈黙したところでゆっくりと除去します

 

取り出した時、決して

「うわぁゴキ◯リだぁ!!」

などと騒いではいけません

 

患者はトラウマになってしまいます

 

「虫は取れましたよ」

とだけ言って安心させてあげて下さい

 

以前、無事摘出したはいいのだけれど、その場で過換気発作を起こしてしまった人がいましたから、要注意です

 

そんなこんなで、今では救急医の敵と言っても過言ではないGですが、昔は医療者の味方だったようです

 

漢方の話題を出したので申し上げておくと、サツマゴキブリには溶血作用があるとされ、金匱要略ではゴキブリも漢方薬に挙げられているようです

 

少しだけ彼らの名誉も挽回されるでしょうか

Gとか言って伏せていたくせに結局ゴキブリと言ってしまいました

 

好きか嫌いかで言ったら僕も好きではありません…

現在、日本人口の20倍近い数のゴキブリが日本に生息していると考えられており、彼らの不本意な活躍は今後も続きそうです

 

救急医とゴキブリの戦いはこれからも続きます!

 

肝心のオリーブオイル

とんでもない話で終わってしまいましたが、寿司屋で勧められたオリーブオイルを紹介しておきます

 

これです

「アウボカーサ」

 

アウボカーサ エキストラ・バージン・オリーブオイル 458g 

控えめに言って最高です