落ち着いたギラギラ救急医のブログ ER×ICU+α 

やっくんの「だから救急はおもしろいんよ」 日々の仕事や生活をつらつらと

コロナ禍は今後どうなる?

新型コロナウイルスとこれから

新型コロナウイルスについて

12月に武漢でヒト-ヒト感染が成立したと考えられている新型コロナウイルス 

重症肺炎となり安いことからSARS-CoV-2と名付けられた

SARSは重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome)

CoVはコロナウイルスの略

 

感染経路

飛沫感染か接触感染

 →基本的には手を媒介して感染すると思う

エアロゾル感染の可能性は否定されないが、証拠はない

 

感染からの経過

無症状の潜伏期間が7日程度

発症後は風邪のような症状が出る

必ずしも発熱するとは限らないし、上気道症状とも限らない

腹痛や嘔吐下痢もある

7日程度で自然軽快するが、2割程度の患者は重症化して呼吸不全となる

 

診断

PCR検査が有用だが、検査の限界もある

ウイルス量が少なければ拾い上げられない

少しでもウイルスがいたら不活化していても拾ってしまう

1日1万件検査できても国民全体を検査するには30年以上かかる

 →検査対象は絞る必要がある

 →疑いが強い人を拾い上げるルールが必要

 →そのルールが適切か見直し続けることも必要

抗体検査がある程度有効かもしれないが、時間が立たなければ陽性にならず、キットの精度もまちまち

抗原検査は開発中

 

治療法

対症療法

重症化したら人工呼吸でしのぐことになる

確固たるエビデンスのある治療薬はない

レムデシビルに期待されているのは人工呼吸器使用期間の短縮

 →重症化を防ぐ効果があるかは分からない

アビガンもエビデンスがないので薬か毒かまだ不明

 

インフルエンザと比較すると?

インフルエンザより重篤化したり死亡する確率が高い

インフルエンザより広がりやすい

 

何が問題か?

爆発的に患者が増加して、医療機関が飽和することになる

人工呼吸管理が疎かになると救命率が下がるかも

病気はコロナだけでないので、コロナ対応によるしわ寄せが他の疾患におよぶかも

高齢者や基礎疾患のある人で死亡率が高い可能性

若年でも重症化する恐れはある

無症状者が感染を広げることもあり得る

 

今どうなっている?

自粛につぐ自粛で、当初の感染スピードは落ち着いた

ちらほら患者は発生しているが、対応困難なほどではなくなっている

 

今後どうなる?

全世界に広がったので、ある特定地域のみでしかみられない疾患というレベルにまで落ち着かなければ押さえ込みは難しい

新規感染ゼロが望ましいが、医療対応できるレベルでの感染を許容しつつ、少しずつ段階的に元の生活に戻していく

再度爆発的に感染がおこると自粛モードになる

感染増と生活成立のバランスが取れるところを探っていくことになる

 

何ができる?

予防⇨とにかく手洗い・手指衛生を徹底する

マスクだけでは防げない

 →つけてもつけなくてもいいから手洗いを徹底する

空間除菌は強いものは人体にも害だからやめよう

害にならない空間除菌は薬にもならないからやめよう

 

期待をしすぎない方がよいこと

ワクチンは早々にはできない

特効薬の使用も早々にはできない

 

しない方が良いこと

差別

確実に有効ではない対策を他人に強要する

絶対に感染者を出さないなどという無鉄砲な目標を立てる

 →コントロールできていれば御の字

誰かのせいにする

 →基本的にはウイルスのせい

 

これからの世界

これまで以上に手指衛生に気を遣う

他人と距離をとる生活を心がける

 →狭い店舗にぎゅうぎゅう詰めという営業形態は困難

体調不良の時に休める環境を作る