地方二次救急病院の救急医ブログ ER×ICU +α 

やっくんの「だから救急はおもしろいんよ」

MENU

学校再開すべき?

休校延長

本日、総社市では休校措置の延長のお知らせが出ました

5月7日まで市内の小中学校幼稚園の休業をするということです

 

子供の命を守るためということですが、これに関しては個人的に疑問が残るので、考えを示しておきます

 

政府は有識者を集め、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議を開いております

ここに参加しているのは、真の専門家集団で、ワイドショーで適当なことを言っている人たちではありません

 

感染人数のトレンドを把握しつつ、どこで感染が広がっているかを明らかにし、どのように対策をしたら良いかを発信してくれています

 

最新のものがこちらです

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000617992.pdf

 

これまでに明らかになったこととして3月19日には

・個人から個人へ伝播させている状況ではなく、感染者のうちの何割かがクラスタと呼ばれる集団感染群を発生させている

・クラスタの特定と解消が感染管理のキモ

・3密を避けることで感染を防げるのではないか

 

という提言があり、政府は積極的に3密を避けるように広報しておりました

 

f:id:doctor_hero:20200410112406j:plain

 

結局、飲み会・会食などを通して感染が伝播し、都道府県を超えて蔓延して行っているのが現状ではなかろうかと思います

 

子供の安全は?

リンクを貼った4月1日付の提言を見てみましょう

このように記載されています

 

現時点の知見では、子どもは地域において感染拡大の役割をほとんど果たしてはいないと考えられている。したがって、学校については、地域や生活圏ごとのまん延の状況を踏まえていくことが重要である。また、子どもに関する新たな知見が得られた場合には、適宜、学校に関する対応を見直していくものとする。

 

専門家会議の提言と裏腹に総理が一斉休校措置の要請を出し、全国の多くの小中学校が休校措置をとりました

その間にも日本中に感染は蔓延してしまいました

 

伝播にかかわったのは大人たちです

 

休校措置をとったから子供の間で伝播しなかったと考えることはできますが、意外と学校は3密ではないです

 

①真冬に換気をとるのはキツイですが、頻繁に換気したり、窓やドアを開けておけば密室は免れます

 

②多数が集まる場所とは、人数の定義が難しいですが、専門家会議の想定では、感染者数が増大している地域では10名ほど、感染者が出ているが増加傾向でないところでは50名程度を刺すのかと思います

地域によって違うかもしれませんが、地域内に感染者がチラホラいる状況でなければ、学校の1クラスは多人数とも言えないのかもしれません

 

③間近での発声については、お友達とのおしゃべりは避けられないかもしれません

 

というわけで、学校は1密です

 

伝播の中心とは考えにくいところを閉鎖して、安全を確保した気になるのは、ちょっと危険だなと思います

安全じゃないのに安心という訳がわからない状況を生み出します

 

感染制御のために抑制をかけなければならないところは、これまでにクラスタを多数発生させた場所であり環境です

 

子供の安全を守るためにしなくてはならないことは、彼らの行動制限ではなくて、彼らの生活環境にウイルスを持ち込まないことです

それをせずに、子供の学ぶ権利だけ剥奪してよいものか、考えたいところです

 

今のところ、専門家会議で学校休止を検討すべき状況とされているのは「感染拡大警戒地域」です

 

・直近1週間の新規感染者数やリンクなしの感染者数が、その1週間前と比較して大幅 な増加が確認されているが、オーバーシュートには至っていない

・直近1週間の帰国者・接触者外来の受診者数に一定以上の増加基調が確認される

・医療提供体制が切迫性の高い状況又はそのおそれが高まっている状況

 

緊急事態宣言が出された都道府県はもちろんこれに当たる訳ですが、そうでなくとも、そういう状況に向かっている都市では休校を検討したら良いと思われます

 

あくまでも社会活動を抑制する一環で学校の休業を検討する姿勢が必要です

それに沿わないとしたら、沿わない理由が必要です

地域ごとに何らかの例外的な事象が起こっているか、市町村独自のデータがありそれを参照しているのか・・・

 

保護者の不安に添いきれないということであれば、別途不安解消策を講じるべきです

 

学校再開基準

岡山市、岡山県は学校再開しており、それに批判的な人たちも結構います

ですが現状の感染状況を考えると、相当の危険を犯しているとは言いにくいです

 

他の対策が不十分ということであれば、それを一生懸命指摘したり、自ら感染予防を徹底するのが紳士淑女たるものではないでしょうか

 

教員が市外の飲み会に参加して伝播させる

とか

高校生や大学生がレストランやカラオケや飲み屋でクラスタ発生させる

とか

保護者が3密行動に参加して子供にうつす

 

ということがなければ、子供は安全なはずです

 

学校休校にするのであれば、休校にする理由が必要なのです

 

不安が理由だと、不安解消まで休校することになります

もっとも感染が厳しい都市に歩調を合わせるということであれば、今後流行が遅れてやってきた場合に判断基準を失います

 

このまま休校措置を続けるのであれば、その判断基準を明確にし、学校再開の条件を明示する必要があります

逆に、休校にしていない自治体は、休校を決断する判断基準を明示する必要があると思います

 

これが不明確、もしくはメッセージとして上手に伝わっていないので、不安はいつまで経っても解消されません

 

全県学区の高校は再開され、感染源の追えない感染者が発生している町で小中学校幼稚園が再開されており、感染者が一人も発生していない町では小中学校幼稚園が閉鎖されています

イビツすぎます

 

 

というようなことを娘が言いたそうな顔をしていました